久喜市鷲宮で開催された「土師祭(はじさい)」そして「恥☆アソビ」を取材してきました。毎年多くのひとで賑わっているそうですが、今年はなんと7万2000人もの動員数を記録したそうです。途中ゲリラ豪雨もあって祭りの続行が心配され、「恥☆アソビ」は途中で中止という結果になってしまったものの、「土師祭」は雨の間のみ中断して、最後まで行われました。

最初に主役の神輿を紹介しておきましょう。

 

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こちらが「千貫神輿」。千貫は一貫(3.75kg)の千倍で、ざっくりと「スゴく大きくて重いよ」という意味です。

 

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続いてこちらが「らき☆すた神輿」。突風で一部が破損したため、今年から新しくなっております。

 

 

 

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土師祭は今年で31回目。鷲宮神社の境内に奉納されている「千貫神輿」が元気よく担がれます。会場は鷲宮神社の正面に続く鷲宮神社通りで、昼と夜にそれぞれ1往復ずつ担がれます。片道約1kmなので、2往復で合計約4kmになります。真っ昼間の太陽がサンサンと照りつける中、香具師(やし)も多数出店し、地元や近隣の方で会場は賑わっていました。

この祭りの面白い所のひとつは、実は地元以外の、近隣・近県からも担ぎ手を募っている所。遠目にしか確認できませんでしたが、私の地元である「古河」の文字が背中に描かれたハッピを着ている人もいました。開始時刻になり、「鷲宮SNS」の文字とイラストが書かれたクルマを先頭にして、「おおとり」のハッピを着たベテランの方々が担ぐ神輿と千貫神輿が渡御を始めます。先導車はイラストが可愛らしいものなのに、運転しているのがかなりお年を召された方だったので、何だか見ていて面白かったです。

この日は9月に入ったとは思えない程の暑さでしたが、担ぎ手の皆さんは青春を謳歌する若者のように声を上げ、進んでいきました。

 

 

 

 

 

 

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ほいさっ。

 

 

 

 

 

 

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千貫神輿が進んでいる頃、神社通りを抜けた先にある鷲宮支所の裏手、公民館などもあるコミュニティ広場で行われていたのが「恥☆アソビ」。こちらは今年スタートしたイベントで、会場には熱いオタクさんがたくさんいました。これも「土師祭」の一環で、昨年度まで鷲宮神社の駐車場や公民館で行われていた「WOTAKOIソーラン」「わしのみやMISSコン」「アニソン祭in土師祭」等のイベントを、特設の野外ステージを設置し、「恥☆アソビ」というイベントとして開催することになったそうです。

ちょうど私が会場で撮影していた時が、「わしのみやMISSコン」でこの後に優勝した「こゆき」さんがステージに立っている所でした。ちなみにこゆきさんのコスプレは、アニメ『織田信奈の野望』の信奈のコスプレだそうです。ちなみに、この方は男性ですので悪しからず。

また、DJによるアニソンステージもあって、私はここで初めてヲタ芸を生で見ましたが、想像以上のスピードとキレで踊る姿に圧倒されました。

「好きな音楽に合わせて踊ったり掛け声を出す。」

ヲタ芸なんて言うと距離を感じますけど、こう考えると別に普通のことにも思えてきます。

 

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しかし、ここで文字通り、空に暗雲が立ちこめてきました。天気予報を確認すると、どう考えても雷雨が直撃しそうな感じだったので、撮影を切り上げて近くの公民館に早めの避難。間もなく想像以上のゲリラ豪雨がやってきました。近隣では停電が発生したり雹(ひょう)が降ったりしていたようです。

 

なかなか雨が上がらず、スタッフの方々も続行か中止かでバタバタしていましたが、本部からの連絡で続行が決定。みんなひと安心といった感じでした。

しかし、屋外ステージでの開催だった「恥☆アソビ」は続行困難ということでそのまま中止になってしまいました。ゲストで間もなく登場予定だった声優の福原香織さんが自身のTwitterで雨女であることを嘆き、謝罪していました。近くにいた関係者の人たちも、冗談混じりに「さすが福原さんだ(笑)」と話していました。

 

 

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さて、続行が決まったので、再び私は鷲宮神社へ。これから夜の部の神輿渡御で、ここでは昼の部の千貫神輿に加えて「らき☆すた神輿」も登場します。やがて日没がやって来て、神社通りの人もどんどん増えていきます。そして大きな掛け声と笛の音を合図に、先導車の後へ続いて神輿の渡御がスタートしました。

大きな掛け声とカメラのレンズが曇るほどの熱気を発しながら、千貫神輿は進んで行きます。雨で気温が下がったにもかかわらず、神輿の周辺にいるだけで汗が垂れてきました。沿道からも掛け声が上がったりしていました。きっと、毎年こうしてこの風景を眺めているのでしょう。

 

 

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千貫神輿の後ろに続く「らき☆すた神輿」は、事前に申込をした人たちが担ぎます。「それで大丈夫なのか?」と正直私は思っていたんですが、驚くべきパワーです。『らき☆すた』のキャラクターの名前を掛け声に、千貫神輿に負けず劣らず、いや、千貫神輿の担ぎ手たちに勝るほどの大きな声を発して進んで行きます。

そして更にその後ろでさりげなく行われていたのが「オタクニカルパレード」なるもの。さりげなく埼玉県のイメージキャラクターであるコバトンも乗っていました。折り返し地点のセブンイレブン前では、作中に登場するらしいチョココロネが配られ、「上と下、どっちから食べるのか?そもそもどっちが上なのか?」というネタで盛り上がっていました。

 

 

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折り返し後も、疲れ知らずの盛り上がりを維持したまま、千貫神輿とらき☆すた神輿が鷲宮神社へと戻ってきました。あれだけ神輿を担ぎ、掛け声を上げてきた人たちが、ここに来て更に元気になって掛け声を上げます。簡単な挨拶があって神輿の渡御は終了。神社周辺がものスゴい歓声に包まれます。そしてらき☆すた神輿の実行委員長が泣きながら声にならない挨拶をし、商工会の会長はなぜか神輿の方を向いて挨拶をし、こうして「土師祭」は無事に終了となりました。

 

 

ネットを検索していると、「らき☆すた」なんてオワコンでしょ?といった主旨の意見も多いようですが、今回のイベントを通じて、そんな外野の意見なんて見事に吹き飛ばしてくれるほどのエネルギーを感じることができました。

私自身はアニメも漫画も見ていないので意見のしようがないのですが、「好きな作品」って、たぶん一生好きなんですよね。私の好きな漫画のひとつである『スラムダンク』なんかは、とっくに連載が終了してますが、今でもアツく語る自信があります。コスプレなんかもそうだと思いますが、今回の「恥☆アソビ」のようなイベントや「らき☆すた神輿」といった存在は、「騒いでいい場所」なんだろうと感じました。そして、こういう人々を寛容に受け入れている地域の方々の姿勢も素晴らしいものだと思いました。

「土師祭」で千貫神輿を担ぐ人たちが大きな掛け声を上げるのと同じようなことで、日常生活では許されないことが許される場所。それがこういったイベントであり、「祭り」というものなのではないでしょうか。これだけの人が集まる年に一度のお祭り、まずは50年を目標に突き進んで欲しいですね。

 

 

===おまけ===

らき☆すた神輿の写真を6枚ほどアップしておきます。

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関連リンク

第31回 土師祭 2013公式サイト

鷲宮SNS

鷲宮商工会ホームページ